藤川金物店・汀(みぎわ) 昔から受け継がれる暮らしのアイテムや、豊かな生活を提案する“道具屋”

『藤川金物店』の一角にオープンした『汀(みぎわ)』は、3代目の藤川金物店店主の長男で会社員の鴻太郎さん、より子さんのご夫婦が、リモートワーク可能で副業OKなことから生活の拠点を移して始めた“道具屋”。

基本的には土曜日のみの営業(インスタグラムで確認を)。

“日本の暮らしを楽しむ”をコンセプトに、全国の選りすぐりの商品やご夫婦で県内の作家さんの工房や展示会に足を運んで販路を得た暮らしの道具たちが並ぶ。

丁寧に作られた上質な道具を提供したい、という二人の想いからセレクトしたものばかり。

「家業を手伝うのに、金物屋のイメージを崩さず、観光に来た人たちにもフラッと寄れるようなカタチで考えました」と鴻太郎さん。

商品のセレクトで一番大事にしているものは、作り手の想いだそう。

「長く愛されているものには理由がありますし、作り手の想いをお客さん一人ひとりに伝えたいから、商品の背景にストーリーがあるものが多いです」と、より子さん。

例えば、天然のシュロで作られたタワシは、老舗メーカー高田耕造商店のもの。

厳選された素材を職人の手で一つひとつ丁寧に作られています。

その背景には、輸入品に押されて減少した国産のシュロ山を守るために、育成プロジェクトをメーカー自らが立ち上げていたり、長年受け継がれてきた職人たちの繊細な技を次世代に継承していく取り組みだったりと、作り手の熱い想いが詰まっています。

また、国東を拠点に活動する@doodles.storeさんのバッグは、米袋をリメイクしたもの。表面に柿渋を塗り耐水性を高め、色味の経年変化も楽しめるSDG’sなアイテム。

頑丈な米袋を使っているので10kgぐらいの重さにも耐えられ、鬼のイラストが描かれているのでちゃんと被ることもできるんです。

大分県内の作家さんたちを自分たちの足で探して、作品の発表の場を提供し発信していくこともお店の役割だと言います。

そんな一つひとつの物語を接客の中で伝えていくのが楽しいのだとか。

戸次の街並みに合うように品揃えを考えているそうですが、その他の店舗の相乗効果もあるといいます。

「からはな百貨店さんやhitoyoshiさん、HARIYOさんにきたお客さんが流れできてくれたり、戸次本町のお店同士のいい循環みたいなものが生まれています。人々の流れが変わってきているように感じますね」と言うのは鴻太郎さん。実家を離れていたからこそ見えてきた景色なのかもしれません。

今後は、商品展開を広げる中で本のスペースを作ったり、お店のコンセプトに合ったさまざまな商品を開拓したいという思いはある一方で、腰掛けてのんびりできるスペースを設けて、気軽に金物店によっていただき、地元の人と観光の人たちが交流できるコミュニティスペースとしての役割も果たしたいという。

カッコつけずに、等身大で肩の力が抜けたいい空気感のある「汀(みぎわ)」の雰囲気を作り出せる二人なら、そんなに遠く無い未来に実現できそうな気がしました。

皆さんもぜひ気軽に寄ってみてはいかがですか。

藤川金物店 汀(みぎわ)

〒879-7761 大分県大分市中戸次4360
営/11:00〜17:00
休/不定休

*営業日はインスタグラムを参照してください